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Traverse the mist

人生の時間が足りません

天ぷら職人への道 

天ぷらが急に食べたくなったので,
一人高級天ぷら店ごっこをすることにした。

狙いはテレワークの木曜日。
夕方以降仕事が入っていない。

思いついたのが月曜日なので
準備期間があったため
ネットでいい油を調べた。
天ぷら専門店はごま油で揚げるらしい。
といっても普段家で中華を作るときの
ごまの香ばしい香りがするあれではなく,
煎らずに絞った比較的色の薄いごま油だ。

amazonで良いのがあった。
マルホン 太白胡麻油 1650g \2,102

いつも使うキャノーラ油よりだいぶ高い気がするが,
気分は完全に美味しい天ぷらだったので迷うことなく購入。

いや,実は種類を決めるときは迷った。
レビューを見れば見るほど色んな人の好みが錯綜していて選び切れない。
一般見解を調べようとgoogleで調べだすとちょっと
「油」と「健康」まわりでは,どこか宗教的な匂いすらしてくる。

結局一番無難そうな上の商品を選んだ。


次は天ぷら粉。これはちょっと賞味期限が切れていたが,
冷蔵庫に前回やった残りがあったので
ド安定の「コツのいらない天ぷら粉」を使用。
某大食い料理youtuberも結局これが良いと言っていたから間違いない。

天ぷら粉の作り方も色々情報が錯綜している。
冷たい水だ,炭酸水だ,ビールだ。
今回は天ぷら職人への道と題しており気分的には
天ぷらの技術をステップアップしたい。

いつもは水道水を使っていてとくに温度はケアしていない。
炭酸水とビールも考えたが,
「冷たい」という条件を自動的に満たしてしまうため,
これまでの「普通の水道水」から温度と液体種の2つ変数を変えてしまうことになり
何が効いたか効果がつかみにくい。
したがって「冷蔵庫で冷やした水」を採用した。


さて,本番の木曜日。
16時に退勤打刻をし意気揚々と近所の鮮魚が売りのスーパーへ。
車海老があれば最高だったが,さすがにない。
普段から見ないので仕方ないだろう。
ブラックタイガーを8尾購入。
その他の魚介は,・・・残念ながらこの日はイマイチ。
唯一,天ぷらに向いていそうだったのが「稚鮎」である。
稚鮎を天ぷらにした経験はないが,
6匹で300円弱と手が出しやすかったので購入。

野菜は,定番のナスと舞茸。家の冷蔵庫には生椎茸も少しある。
あとは大葉を購入。薬味には大根と生姜。


帰宅し,炊飯器をセット。まずは天つゆ用のダシを取るところから。
だし昆布を水で戻し,とろ火で温度が上がりすぎないように20分ほど
ダシを取る。ダシを取ったあとの昆布はいつもちょっと迷うが,ゴミ箱へ投入。
もったいないからといって昆布の佃煮とか作り出すと疲れる。

その後沸騰させ,花かつおをたっぷり投入。
天つゆはしっかりとカツオの味を効かせたかったのでいつもより奮発した。
再沸騰したあと火を消し2分ほど鰹節が沈殿するまで待つ。
こし器で濾して,完成。
一部は週末にだし巻き卵を作るように保管。
残りのダシを4として,醤油:みりん:砂糖をそれぞれ1ずつ加える。
そして全量が半分くらいになるまで煮詰めたら完成だ。
思ったより甘くなったが,美味しい天つゆができた。
作りすぎた天つゆは妻の大好物のナスの揚げ浸しに流用する。

ちなみに,今日の天ぷらは一人ぼっち。
共働き夫婦,平日の夜はいつも別々だ。
今日も天ぷら店ごっこをするからといって例外ではない。

油を温め,元気なうちにナスの揚げ浸し用の素揚げナスをこしらえる。
さて,高級ごま油さんのお手並み拝見といこう。
匂いはごまの匂いはほぼせず,キャノーラ油とそんなに変わらない気がする。
揚げた感覚もそんなに違うわけではない。
素揚げナスを味見・・・
うまい!
油がくどくない気がする。
揚げたてのナスは基本的にだいたいうまいので判断が間違ってる可能性もあったが,
翌日食べたナスの揚げ浸しは,いつもより,確かに美味かった。
軽く,胃に負担が来ない。
油は自信が目立つことなく,ナスのいいところだけを引き立てたのである。

油の力はわかった。
期待に胸を膨らませて,一人天ぷら店開店である。
今回は「高級天ぷら店」ごっこである。
したがって,揚げたてを食べないと意味がない。

ちょっと面倒だが,一品ずつ揚げ,そのたびに食卓に運び食べることにした。

まずは生椎茸。
DSC09121.jpg
ビールの準備完了。まずはキリン一番搾りだ。
こってり天ぷらにはあっさり系の生ビールがふさわしい。

肝心の天ぷらだが,写真を見たら分かると思うが,ちょっと揚げすぎた。
しかし,衣はサクサク,椎茸の旨味もバッチリ凝縮されていて,
味は文句なしにうまい!
サクサク感は冷たい水で天ぷら粉を溶いたからだと思うことにする。
先程の考察だが,よく考えたら天ぷら粉を溶く液体の種類と温度以前に,
油を変えてしまってるので,
結局何が効いたのかさっぱりわからない。

だけどこの時点で脳は完全に天ぷらの旨さに支配されており,
細かいことあはどうでも良くなった。
完全に高級天ぷら店ごっこを楽しむことに夢中である。

次はナス。
ナスは切ったあとの褐変が早いので,
揚げる直前にカットしてすぐに調理する。

DSC09126.jpg

うますぎる。びっくりした。
素揚げしたナスの時点で激ウマだったので,
確信はしていたが,サクッと衣にトロトロのナスを口にして
完全に脳はイキかけていた。

このときに気づいたのが,さっきこしらえた天つゆが,
かなり完成度が高いということだ。
市販のものとは一線を画する,自前で取ったダシならではの
フレッシュ感というか。そういったものが生き生きと感じられる。
相変わらず自分の作ったものはべた褒めである。


さて,ナスを食した時点でかなり満足度が高かったが,
次はいよいよ大本命のエビである。
天ぷらといえばエビだろう。
ブラックタイガーではあるが,下処理は抜かりない。


DSC09123.jpg

もともと背わたは少なかったが,
腹の節に沿って切れ込みを入れ,
揚げたときに丸くなるのを防ぐために
身を縦に伸ばしていく。

DSC09129.jpg

ちょっと不十分だったみたいで,丸まってしまったが,
許容レベルであろう。自分には甘い。

味はうまい。が,ちょっと硬い。
ナスの感動に比べると期待値を下回った感は否めない。
揚げる時間を短くしてみたりしたが,
やはりちょっと硬い。そもそもこの硬さなのかもしれない。


さて,揚げては食卓で食べを3往復して疲れてきた。
往復もつかれるが,そもそも天ぷら,というか揚げ物は疲れる。そういうものだ。

次は下ごしらえがほぼ必要ない舞茸を調理する。

DSC09130.jpg

これは期待通りの美味しさ。
やはりこのきのこは天ぷら向きである。
というかほぼ天ぷらのときしか買わない。

疲れた。
まだ2品もある。

2本目のビールをあけて気合を入れる。

次は大葉,,
だが大葉の下処理でミスってしまった。
下処理といっても洗って水気を切るだけでよいのだが,
水気を切りすぎたのと,処理するタイミングが早すぎたせいで,
シナシナになってしまっていた。
張りがないと非常に衣がつけづらい。

数少ない成功したのがこれだが,
成功率が低かったので他の用途(後述)に使うことにした。

DSC09131.jpg

味も衣に負けてしまっており,
何枚か重ねて揚げればよかったと後悔。

だいぶ疲労がたまってきた,
ここまでくると早く終わらせたいとすら思ってた。

最後の品は稚鮎である。
下処理は洗って水気を取るだけであり,
まるごと揚げてまるごと食べるものらしい。

調理中内臓が爆発するというアクシデントが発生したが,
揚げ時間を短くし,予熱で調理することで回避できることに気づいた。

DSC09133.jpg

稚鮎の天ぷらは初めてだ。
恐る恐る頭からかぶりつく。
美味しい!稚鮎とはいえ,鮎の味がしっかりする。
骨も噛み砕けるし,内臓の苦味がいいアクセントである。

天ぷらにすることを断念した大葉で包み,
大根おろしと醤油で食べるのがベストマッチだった。


さて,無事にすべての品目を食した。
疲労はかなり溜まっていたが,やはり油の効果は確実にあり,
胃もたれや胸焼けは全く感じない。
揚げてちょっと時間がたったナスや舞茸も
パクパクいける。

ビールがなくなったところで,ごちそうさま,とし,
残った天ぷらは翌日のテレワークの昼ごはんと夜ご飯になる。

DSC09139.jpg


写真を取るのを忘れたが,昼ごはんは大盛り天丼にした。
さすがに二日目の天ぷらは良さが半減していたが,
油がいいせいか,昨日あれだけ天ぷらを食べたのにも関わらず,
問題なく食べ切れた。

夜ご飯はまだ少し残っていた天ぷらと,
さすがにちょっと健康が気になったので,
セブンイレブンの一番あっさりしてそうな,もずくサラダ的なものを食べた。

長くなったが,まとめにうつろう。

今回の経験を通じて,確実に天ぷらの技術レベルは揚がった。
ごま油を使うこと,冷たい天ぷら粉を使い,
揚げたてを食べると,もう天ぷら屋さんのそれである。
(高級天ぷら店には行ったことがないので,
中級天ぷら店と同じくらいにはなったとは思う)

しかし,やはり疲れる。
揚げ物は調理場が熱くなるし,
他の料理よりも安全に気をつけないとならない。
天ぷら粉の温度も上がりすぎないように
冷蔵庫に入れたり出したり。
後片付けも飛び散った油や衣の処理に手間がかかる。

今はその記憶が鮮明なので
天ぷらをまたしようという気持ちはさらさらないが,
この疲れた記憶を失い,
天ぷらを食べたいという欲求がまた脳を支配したときに,
この経験が思う存分生かされることになるであろう。

ちなみに,今回のネタの中で一番美味しいかったのは,
ダントツでナスである。
天ぷらは魚介がメインになりがちだが,
次は野菜メインにしてみるのも面白いかもしれない。


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category: 自炊

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